イメトレって、日常的に使われているが、やらなきゃならないとき、頭で思い浮かべておくとうまくいくことが多いぐらいに思っている人が多いのではないだろうか?
ほんとうのところは、こうだ!
『 イメージトレーニングは、やりたいことを臨場感をもって具体的にイメージしておくと、まったくそのとうりになる 』
ここでは、そのイメージトレーニングの仕方からコツまで具体的にご説明する。
イメージトレーニングとは?
ちょっとしたイメトレは、最近は、だれでもしている。
ただし、ほとんどの人は、イメージトレーニングをして、うまくいくときもあるし、うまくいかないときもあるのではないだろうか?
そもそも、イメージトレーニングとは、
1.スポーツで、体を実際に動かすことをせず、頭の中で動作を考えて、その正しい運動動作を学習すること。
2.ある事柄について、起こり得る場面、場合、対処方法などを、頭の中で考え、慣れておくこと。
出典:デジタル広辞苑
このように、イメージトレーニングとは、実際に体を動かさなくても、事前に、自分が動いている様子をイメージしておくことで、実際に動くときに、イメージ通りに動くことができるようにするトレーニング方法ということになる。
ポイントは、イメトレでは、実際に体を動かさないので、時間も、場所もどこでもよくて、さらに、何回でもすることができ、何回もイメトレしておくことで、どんどん効果が高まるとても有効なトレーニング手法だ。
実際に体を動かし練習しておくより、イメージを駆使して、脳の運動野の中でのイメージトレーニングの方がより効果が高いという科学的検証報告もされている。
詳しい方法を勉強しておいて損はない!
イメージトレーニングの効果
脳は現実と想像を区別できない
「脳は現実と想像を区別できない」という事実をご存じだろうか?
これは、最近明らかになった脳の特性だが、レモンを想像すると勝手に唾が口の中に広がることを考えれば、このことが事実だということは分かる。
実際にレモンを食べていなくても、以前の体験から酸っぱさを想像して脳から指令が行き唾液が分泌されている。
つまり、脳は、実際にレモンを食べようと、想像でレモンを食べようと、同じ指示を脳幹を通して体に出しているということなのだ。
このレモンの例と同じことが、イメージトレーニングをするときにも起こっている。
イメージで、実際にしようとすることを詳しくイメージすると、運動を行った時と同じ脳の領域が動き、脳を通して、体の動きはイメージに近いものになっていく。
トップアスリートのイメトレ事例
フィギュアスケートで有名な羽生結弦選手は、こう言っている。
「 運動をイメージすると、運動を行ったときと同じ脳の領域の神経が活性化され、実際の運動時のパフォーマンスが向上する 」
さらに、自分のことを百獣の王というタレントでアスリートある武井壮氏も、このようなことを言っている。
「 実際の動きを事前に細かくイメージし、それを再現することを意識する。例えば高跳びであれば、技術的なことをあれこれ考えるより、きれいなフォームで跳ぶ選手を参考に明確なイメージをもち、それを再現している 」
彼らのようなトップアスリートは、イメージトレーニングを繰り返し行い、スポーツのパフォーマンスを上げているし、最近では、ビジネスマンにおいても、重要なプレゼンや、説明会など、ここぞというときには、イメージトレーニングを行うことが一般的になってきている。
イメージトレーニングの効果
イメージトレーニングの効果は、上記の例のように、実際の動きを細かくリアルにイメージすることで、実際にそのイメージと同じように行動できるようになる。
これは、5感を含むイメージを、臨場感をもってリアルに詳細に思い描くことで、潜在意識に刷り込むことで、意識することなく自然に体が目的達成のために動くようにすることができる。
実際ほとんどの人は、行動するときに、詳しく意識することはできない。事前に、詳細なイメージを繰り返し、思い描くことで、自然に行動できるようになる。
すなわち、無意識に目的達成できるようになることが、イメージトレーニングの最大の効果だ。
イメージトレーニングの方法は?
イメージトレーニングのポイント
成功の瞬間をはっきりと感情をこめてイメージする
まずは、何に成功したいのかをはっきりする必要がある。体操であれば、フィニッシュの状態、サッカーであれば、ゴールの瞬間なのか、相手のストライカーが、ゴールエリアに切り込んできてるのをブロックすることなのか、ビジネスのプレゼンであれば、論点を明確にし相手のニーズにフィットした瞬間なのか、相手の同意を得た瞬間なのか
どのような成功にも、具体的な成功の瞬間がある。それを、実際に成功したように感情をこめてはっきりとイメージすることがとても大事だ。成功したことを感情をこめてはっきりとイメージすると、脳の働きとしては、前頭連合野で、認識されたイメージ情報が、感情を司る扁桃体に良い刺激を与え、そのイメージがとても良い体験ということで海馬に記録されることになる。
どういうことかといえば、成功の瞬間のイメージが、クリアであればあるほど、喜びが最高であればあるほど、脳の体験としては、よりすばらしい体験として記録されてゆく。そうすると、イメージトレーニングなので、何度でも成功体験を脳に刻み込むことになり、成功が繰り返すことによる強い自信が心にしっかりと定着してくる。
フィギュアスケートの羽生選手を見てほしい。数々の成功により、キラキラとするほどの自信があふれている。あのような状態が、イメトレで、成功の瞬間を心から楽しむことを繰り返すことで、手に入れることができるのだ。
成功へのプロセスを具体的に、5感を駆使してイメージする
次に大切なのは、成功に至るプロセスを、5感を駆使して、一つ一つ具体的にイメージすることだ。
イメトレがうまくいかない人は、このプロセスのイメージングが、漠然としているか、プロセス自体が間違っているか、感覚が伴っていないかのどれかの失敗をしているから、イメトレが成功していない。
例えば、あなたがサッカーのストライカーだとして、ゴールを決めたいということであれば、ボールが、ミッドフィルダーに渡った瞬間に、左サイドの空いたスペースに走り込み、ミッドフィルダーからのスルーパスをきわどいところで受けて、そこから、相手ディフェンスをかわし、センターへ切り込みキーパーが突っ込んでくるのをかわし、右サイドにゴールを決める状態はっきりイメージする。
このようなプロセスを明確に描きつつ、走りこんだ時の筋肉の躍動、呼吸の状態、ミッドフィルダーからの大きな声、相手ディフェンスのスライディングをかわした時のジャンプの感覚など、すべての動きをリアルに、5感とともに感じることで、その時の状態が、潜在意識にリアルに刷り込まれていく。
トップレベルのアスリートであれば、これを何パターンも繰り返しイメージしている。ただし、大切なのは、臨場感をもって、5感を駆使して行うことなのだ。
ビジネスにおいても、同様だ。例えば、大事なプレゼンを成功させたい場合、できるだけ、事前にそのプレゼンの場所、相手の人数、キーパーソン、相手のニーズなどを調べて置き、相手の会社に行き、受付を通り、部屋に案内され、相手と名刺交換をして、雑談をして、いよいよプレゼンになり、最初は、プレゼンの概要を説明しながら、相手キーパーソンの反応を見る、見ながら相手のキーパーソンや、相手の会社のニーズがこちらの想定どうりのものか探りつつ、想定どうりであれば、プレゼンの核心に一気に切り込む。そして、想定されていた相手の心配事を、軽やかな説明で切りぬけ、相手の満足げな様子をイメージして、プレゼンの成功を実感する。
このようなプロセスを事前のいくつかのシナリオ毎に明確に描きつつ、説明の際の、雑談で徐々にリラックスしていくあなたの様子、いよいよプレゼン本番になり、最初は、静かな口調で話している自分の声の様子、プレゼンが核心に入る際の、あなたの声のメリハリの様子、相手のニーズがはっきりした時のあなたの安心感などを、リアルに、5感とともに感じることを、相手の反応をいくつかのシナリオに分け、ひととおり、イメージトレーニングしておくことで、想定外の相手の反応にも、適切な対応ができ、プレゼンが成功することになるのだ。
ポイントは、詳細に、かつ、5感を駆使してリアルにイメージトレーニングしておくこと、さらに、何パターンもイメージトレーニングしておくことにより、想定外の出来事にも対応できるようになり、その結果、成功につながるということだ。
リラックスしてイメージする
ここまで、イメージトレーニングをするうえで大切なのは、
- 具体的、詳細にイメージすること
- 感情をこめてイメージすること
- 5感を駆使して臨場感をもってイメージすること
がポイントだとお話ししてきたが、さらに重要なのが、イメージトレーニングする際に、潜在意識に、スムーズに刷り込んでいけるようにリラックスしてゆくということだ。
というのは、いらいらしながらイメージトレーニングしていても、脳波がベータ波のため潜在意識にスムーズに入っていかない。
呼吸を整え、体をリラックスさせて、脳波を、アルファ波から、シータ派にしてゆくと、潜在意識にスムーズに入ってゆく。
呼吸法の詳細は、以下の記事に具体的にまとめてあるので参考にしていただきたい。
イメージトレーニングの具体的手順
場所を選ぶ
できるだけ、静かで、あまり明るくない方がいい。できれば、まわりの人に、イメージトレーニングしている時には、話しかけないように話しておくといい。暗い方が、目を閉じたときに、まぶたの裏のスクリーンに、イメージをはっきりと描きやすいし、5感も含めてイメージする時に、静かでないと、音声をイメージするときに、集中できない。
どちらにしても、慣れてくると、このようなことはあまり関係なくなるが、慣れるまでは、上記のような場所を選びイメージトレーニングすることをお勧めする。
姿勢を整える
イメージトレーニングする姿勢は、椅子に座り、できれば背筋を伸ばし行うといいが、寝ながらしても寝てしまわなければかまわない。
寝ない程度に、一番リラックスるできる姿勢でイメトレしよう。
呼吸法
イメージをはっきり描き、潜在意識に刷り込むためには、アルファ波かベータ波になるような呼吸法を行った方がいい。
できれば、吸うときに下腹を膨らませ、吐くときに下腹をへこませる呼吸を、一分間に4回程度行う呼吸法を行うと、イメージに深く入ってゆくことができる。詳しくは、下記をご覧いただきたい。
リラックス
イメージをはっきり描き、潜在意識に刷り込むためには、呼吸法とともに大切なのは、リラックスして行うということだ。
通常人は、何も意識していないと、肩に力が入っていることが多い。ちょっと肩に意識を向けてほしい、このページを読みながら、肩に力が入ってないだろうか?入っていないならいいが、入っているのであれば、意識して自分の体をリラックスするようにした方がイメージトレーニングに限らず、リラックスして暮らす方が、健康一般にいいし。肩こりも減る。
リラックスは、具体的な方法としては、自律訓練法が有名だが、呼吸を整えた後、手足、肩、おなかの順番にリラックスしていますと自分に言い聞かせながら呼吸を繰り返すと、比較的深いリラックスが得られる。
成功の瞬間をイメージする
ここまで、準備ができたら、いよいよイメージトレーンング本番だ。
イメージトレーニングのポイントのところで、ご説明したが、具体的な成功の瞬間をイメージすることが大切だ。
成功の瞬間の喜びを思いっきり味わうことで、それも、なんども、なんども、味わうことで、海馬によりうれしい成功として記録され、強い自信がわいてくるようになる。
このように海馬に記録された情報は、潜在意識に刻み込まれ、潜在意識の奥底にある集合的無意識から情報発信されて、ゴールを達成するために、必要な人の協力や、環境の整備、さらに成功のためのプロセスのアイディアが、自然に引き寄せられてくるようになる。
プロセスをイメージする
成功の瞬間を得るためのプロセスを、はっきりと具体的に描くことが重要だとお話ししたが、具体的に、さらに5感をこめてリアルに描くことは簡単ではない。
スポーツのトッププロや、トップビジネスマンならプロセスを描けるだろうが、まだ、そこまでいっていない人は、最初はなかなかそうはいかない。
そのような場合は、成功の瞬間をイメージしたら、いったん仮でもいいからプロセスをイメージすることだ。これは、体験してみないと実感としてわからないかもしれないが、繰り返しイメージトレーニングしているうちに、成功するためのプロセスが、集合的無意識から降りてくるようになる。最初は、プロセスは仮置きしておいても、成功するために必要なプロセスが、だんだん見えてくるようになり、最終的には、トップアスリートや、トップビジネスマンがおこなうようなプロセスが見えてくるようになる。
重要なのは、その域に達するまであきらめずにイメージトレーニングを繰り返すことだ。
そうすれば、あなたもきっと、今の状況からは想像もできないほどの成功を収めることになる。
イメージ力を高める方法
最後になるが、今までお話ししてきたように、感情をこめて、5感を駆使して、イメージトレーニングを行うことで、あなたも望む分野の成功を収めることができる。
ただし、当然のことながら、イメージトレーニングは、はっきりとしたイメージ力が前提になる。
こちらに、段階的にイメージ力を強化するためのプロセスをご説明する。
イメージトレーニングの効果を高め、より早く成功を得たいのであれば、以下のトレーニングを実行することをお勧めする。
イメージ力をチェックする:残像訓練法によるイメージ力の強化
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