ユングの分析心理学
ユングは、当初、フロイトに師事し多くを学んだが、その後、患者の治療を通して、人の潜在意識には、個人的な経験を超えた領域があることを確認した。
フロイトは、ユングの言う集合的無意識、すなわち、潜在意識は、個人的無意識と集合的無意識があるということを認めなかったため、ユングは、集合的無意識を中心とした独自の心理学、分析心理学を提唱した。
分析心理学は、人の心の構造を、意識、個人的無意識のみならず、集合的無意識をも分析し、治療をすることにその特徴がある。
ユングの分析手法
ユングは、人の心の構造を、3つの方法により分析し、治療を行った。
言語連想検査法
この方法は、100個の刺激の言葉を、患者に聞かせ、患者からその言葉から連想する言葉を聞き、その言葉、言うまでの時間を記録しておき、再度、同じことを繰り返す。
そして、2度の検査で、違った言葉を言った場合と反応するのに時間がかかった刺激の言葉が、患者のコンプレックスを表していることがわかる。
これにより、コンプレックスを特定し、治療したのである。
夢分析
患者の夢を出来るだけビジュアルに聞き出し、その内容から、さらにイメージを広げて行き、その夢が意味する潜在意識からのメッセージを読み取り、患者と共有してゆく。この方法により、普段、意識下に上がってこない潜在意識の願望を知り、治療するのである。
能動的想像法
患者を、リラックスして半睡眠の状態に導き、無意識からのメッセージを受け取るようにしてゆく。すると、無意識は、徐々に独立した存在のようになり、患者の自我にあたかも語りかけるようになってゆく。無意識と自我のやり取りの中で、自我は、魂が揺らぐような体験をして行き、その感動的な体験が、患者の症状を好転させてゆく。
このように、ユングは、潜在意識の一番深いところには、集合的無意識として、崇高な存在につながっており、その部分との一体感を持つことが、魂としての喜びであり、幸せになれる方法だと説いている。
このような考え方は、これ以降の潜在意識の探求者たちにも受け継がれている。
△ 思考は現実になる
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