マインドセットの意味
マインドセットという言葉は、英語では、mindsetと書き、見方とか意識といった意味で使われています。
ただ、心理学においては、さらに、意味が付加されて、考え方・物事の捉え方・性格・信念や価値観などを表し、簡単に説明すると「考え方の癖・心の在り方」をマインドセットと言っています。
スタンフォード大学の心理学教授キャロル・ドゥエック氏が、体系的にまとめた考え方で、現在では、教育、医療、ビジネス分野で、この考え方が活用されています。
マインドセットには、2種類のマインドセットがあり、「硬直マインドセット=fixedマインドセット」と「しなやかマインドセット=growthマインドセット」の2種類があります。
硬直マインドセット(フィックスト・マインドセット)とは
フィックスト・マインドセットは、グロースマインドセットとは対極の意味を持ちます。
グロース・マインドセットがプラス思考で挑戦的であることに対して、フィックスト・マインドセットは、マイナス思考と捉えることができます。
フィックスト・マインドセットとは、他人からの意見や失敗を恐れる考え方です。
そのため、新たな挑戦ができず、諦める癖がつき、自己成長につながりづらいという特徴があります。
硬直マインドセットの例
- 自分の能力は固定的(fixed)で変わることがないと信じている
- 人に自分の有能さ・能力を示したい/認められたい
- 人に「すごい」などと言われたい/証明したい
- 無意識に自分と他人をいつも比べてしまう
- なんでも、自分のせいだと考えてしまう
- 人に助けを求めることに抵抗を感じる
- うまくいかないと「自分には向いてなかった」と考えがち
- ミスや負けることがいつも怖い
- 自分がうまくできることしかやりたくない
- 困難な状況になると不安でしかない
- 困難な状況になると諦める/困難だと分かると最初から挑戦しない
しなやかマインドセット(グロース・マインドセット)とは
グロース・マインドセットとは、自身の成長は努力や経験で向上できるという考え方です。
このマインドセットを持つ人は、どのような失敗も恐れずに挑戦し続け、学び続ける姿勢があります。
また、他人の意見に左右されることなくステップアップすることで、主体性や創造性も養われていきます。
このため、教育界、ビジネス界でも必要不可欠なマインドセットとして注目を集めています。
しなやか・マインドセットの例
- 自分の能力は努力しだいで伸ばす(growth)ことができると信じている
- 自分の能力を高めたい/向上させたいと思っている
- 新しいことでも学びたい
- 自分はこうなりたいと考える
- 他人と比べるのではなく過去の自分と比べる
- やると決めたらやる
- 困難な状況になっても諦めずに続ける
- 失敗や困難があっても当然だと思える
- 難しいと感じると力を発揮できるときがある
硬直マインドセットを、しなやかマインドセットに変える!
上に示した例を見ていただければ、わかるように、硬直マインドセットを、しなやかマインドセットに変えることが出来れば、誰もが、すばらしい結果を得ることが出来ます。
でも、マインドセット(考え方の癖・心の在り方)は、幼少期の両親の影響や、環境、今までの経験などから、心の中にできたものですので、そのマインドセットを変えることは、とても困難です。
なぜなら、硬直マインドセットのほとんどが、幼少期の両親や、まわりの人々のの影響によるものであり、それも、強い感情を伴うことにより心に作られたものが多いことによります。
例えば、幼少期に、「お前のせいで、こんな事になってしまった」とか、「お兄ちゃんは、出来るのになぜお前は出来ないの」などと言われ続ければ、「ぜんぶ自分のせいだ」「人と自分と他人と比べる」というマインドセットができます。
問題なのは、その時に、強い悲しみが伴うことで、強く心に刻まれ、それがマインドセットとして、なにかあると自動的に、そのように考えてしまうのです。
このようなマインドセットを変えようとしても、わかっていても気持ちがついていかず、しなやかマインドセットにはなりません。
しなやかなマインドセットに変えていくためには、最初に硬直マインドセットを弱めていき、その後に、しなやかマインドセットを作る必要があります。
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