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習慣は、脳内回路でどのように作られるか

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1.そもそも習慣とは何か

習慣という行動と別の行動との間には、神経科学的には、明確な境界線は無い。

違いがあるとすれば、習慣という行動は、無意識に行われるので、何も考えないで、その行動をしていられる。だから、習慣による行動をしている間は、他のこともしていられる。

だが、普通の行動は、そうはいかない。どのようにすれば、これはうまくいくか、いつまでに、誰と協力して、どこでやればいいか、いろんなことを考え、さらに、うまくいくかどうか心配しながら行動する。

習慣化された行動は、そんな必要はない。なぜならば、それらのことは、今までの様々な状況で様々な行動を試し、どの行動が有益で大きな犠牲を必要としないかを見極めているからだ。

そして、良いと感じられた行動を無意識のルーティンとして、習慣としているのだ。

2.忍び寄る悪習慣

多くの場合、私たちは皆この無意識のうちにルーティン化するというプロセスを幼い頃に始める。ただし、このように作られた無意識にしてしまっているルーティンの多くは、私たちにとって悪い習慣となっている。

家を出る前にガスコンロの火を消したか、玄関に鍵をかけたか、など自分の行動を監視しなくなると、日常生活に差しつかえがある恐れがあるだけでなく、悪い習慣が忍び寄るようになる。

体重が増加傾向にある人の多くは、自分がコンビニの菓子売り場やドーナツショップに足しげく通うようになっていることにある日突然気づく。

だが、実際にそうしている最中には自分の行動についてよく考えていない。

このように自分の行動をいつの間にかチェックしなくなる事は、習慣が依存症に似たものになり得ることを意味している。

コンピューターゲームや絶え間ないメールやTwitter、そしてもちろんアルコールや薬物使用がその証拠だ。

以前は意識的に選択していた行動が、依存が引き起こす反復的ルーティン行動に部分的に乗っ取られる。

依存症が普通の習慣に類したものなのか、それ以上のものなのかについては神経科学者の間で依然として意見が分かれているが、依存症が習慣ルーティン行動の極端な例であることは確かだろう。

強迫性障害(特定の思考や行為を繰り返す)やある種の鬱(マイナス思考から抜け出せない)など一部の精神疾患も同様と考えられる。

そして極端なタイプの習慣は、反復的で過度に集中した行動が問題となる自閉症や統合失調症に関係している可能性がある。

 

3.わかってきた習慣の神経科学的メカニズム

ある行動を繰り返すと、脳の中心部にある大脳辺縁系内の線条体周辺の習慣回路にそれが定着する。

この回路は、習慣行動を無意識的ルーティンの1つのチャンク(塊)として扱う。

*チャンク化(チャンキング)線条体は、経験による複数の項目をパッケージ化して一つの記憶ユニットとすることを、米国の心理学者ジョージ.A.ミラーは、チャンキングと呼んだ

一方、脳の新皮質は習慣を監視している。ラットの新皮質を光信号で操作した実験では、習慣的行動やその形成を妨げることができた。

 

4.習慣はどのように形成されるか

人は3つのステップを経て、習慣を学習し定着させる。

  1. 新しい行動の吟味、
  2. 習慣の形成、
  3. 習慣の脳への刷り込みだ。

詳細まで全て明らかになったわけではないが、線条体が各ステップを調整している。習慣的行動は考えずに実行されてるように思えるが、実は下辺緑皮質が私たちの行動を監視している。

図  脳内での習慣の形成メカニズム

脳内での習慣の形成の図

①新しい行動の吟味

前頭前皮質は線条体と、線条体は中脳と信号をやり取りする。中脳ではドーパミンが学習を助け、目標に価値を与える。これらの回路は正のフィードバックループを形成し、そのおかげで私たちは行動の中でうまくいくものといかないものを見極めることができる。

②習慣の形成

行動を繰り返すにつれて、感覚運動皮質と線条体の間のフィードバックループが強く関与するようになり、型にはまった一連の行動を1つの活動ユニット(チャンク)にする。このチャンクの一部は線条体で行われており、中脳からのドーパミン入力に依存している。

③習慣の刷り込みと許可

ひとたび習慣が活動のチャンクとして格納されると、下辺緑皮質が線条体に働きかけて、習慣を半永久的なの活動として刷り込むのを助けているようだ。下辺緑皮質はまた、ドーパミンの助けを借りて、私たちにいつ習慣的行動許すかをコントロールしているようだ。この領域の活動をオフにすると、深く根付いた習慣を抑制できる。

 

5.習慣化を促す行動療法

行動療法では、人々が健康的な習慣を身につけ、不健康な習慣から抜け出すのを手助けする方法がしばしば提案されている。

朝ジョギングをするように自分を条件づけたいなら、前の晩のうちに目覚めた際に必ず目に入る場所にランニングシューズを置いておくと良い。

この視覚的なきっかけは、私たちがラットを訓練する際に使った音の合図(クリック音)に相当する。ジョギング後に自らに報酬を与えるようにすればさらに効果的だろう。これを十分に繰り返せば、あなたの脳はあなたの望むチャンクパターンを作り出すだろう。

これらのの領域がどう働くかについて理解を深めれば、良い習慣や悪い習慣をうまくコントロールするのに役立つ薬や行動療法、より簡単な方策が見つかる可能性がある。

参照:習慣をつくる脳回路  A.M.グレイビエル(マサチューセッツ工科大学)、K.S.スミス(ダートマス大学)

 

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