日々、さまざまなストレスが、わたしたちの心や体に、影響を与えています。
人によっては、そのストレスによって、眠れなくなったり、過食や、拒食になったり、気持ちが大きく落ち込んだりします。
そんな時に、心と体の緊張を和らげることで、心や体の不調を改善する効果的な方法をご紹介します。
心と体の緊張を和らげるには
簡単に言えば、呼吸を整え、体をリラックスして、美しいイメージの中に身を置くことで、ずいぶん心と体の緊張が和らぎます。
例えば、あなたを誘導する音響や音声を聞きながら、ゆったりとした呼吸に導いていき、体の各部に意識を向け、開放していくことで、リラックスしていきます。
さらに、美しい音響や、明るい風景をイメージすることで、心を穏やかにする脳内ホルモンのセロトニンが、穏やかに作られていき、とても気持ちが良くなり、心と体の緊張が和らいでいきます。
それでは、呼吸法から順番に、詳しくご説明していきましょう。
呼吸法
通常、誰もが意識せずに行っている胸式呼吸ではなく、お腹まで深く息を吸い込む腹式呼吸を、日常的に行えるようにしていきます。
深く息を吸い込む腹式呼吸は、胸式呼吸に比べ、無駄な筋肉を使うことなくリラックスして、より多くの酸素や気を取り入れることができるため、自律神経が落ち着き、より安定した気持ちになることができます。
姿勢
ワークを行う効果的な姿勢は、瞑想する時のように、背筋を伸ばし、椅子に座って行う形ですが、リラックスすることがとても大事ですので、ご自分にとって、一番リラックスする姿勢が望ましいです。
寝てしまわない程度に、リラックスできる姿勢で行ってください。
横になって行っても構いません。
呼吸の仕方
人が自然にしている胸式呼吸は、息を吸う時に肺が広がる呼吸法です。
通常、ほとんどの人が無意識に胸式呼吸をしていますが、意識的に胸式呼吸をしようとして、息を吸い込み、ろっ骨を広げ、肺を横に広げると、肩と首に力が入って、緊張した状態になってしまいます。
それと異なり、ワークで行う腹式呼吸では、息を吸う時に横隔膜が下がり、肺の下、お腹の方から息を入れていくので、肺を横に広げるために、肩や首に力が入ることなく、リラックスした状態で呼吸ができます。
腹式呼吸は、鼻からゆっくり息を吸って、お腹から息を入れていき、口からゆっくり息を吐ききる、これを繰り返します。
ワークの音声誘導では、「 吸って 」とか「 吐いて 」としか言いませんが、ワークを行う際には、以下のことをイメージしながら、呼吸をすることをお勧めします。
心臓の鼓動(平均60~90回/分)に合わせ、3つ数えながら鼻から息を吸う
最初の1つで、下腹部に息を入れる
次の1つで、お腹の中心部に息を入れる
最後の3つで、胸いっぱいに息を吸い込む
続いて、3つ数えながら、口から息を吐く
最初の一つで、下腹部から息を吐く
次の一つで、お腹の中心部から息を吐く
最後の3つで、胸部から息を吐き切る
これを無意識に出来るようになるまで、毎日行います。
複式呼吸をちょっと難しいと感じるのであれば、息を吸う時に、下腹部を膨らませ、吐くときに下腹部をへこませることを意識していただき、できるだけゆっくり呼吸することを心掛けるだけで十分に効果があります。
呼吸のレベルアップ
通常、大抵の人は、1分間に12回以上、吸う吐くの呼吸を4、5秒に1回程度しています。
心身がリラックスした状態なるには、1分間に10回以下、理想的には、1分間に4回程度の呼吸数にすることが効果的であると最近の脳科学によって立証されています。
セットされた回数の呼吸法を、無意識に出来るようになり、さらに、呼吸法のレベルを上げたいと望まれる時は、下記のような呼吸法を実践することで、
・1分間に10回の呼吸( 3秒吸って、3秒吐く )通常のゆったりした呼吸
・4・4呼吸法 ( 4秒吸って、4秒吐く ) 深呼吸のレベル
・6・6呼吸法 ( 6秒吸って、6秒吐く ) 脳波がシータ波となる
・7・7呼吸法 ( 7秒吸って、7秒吐く ) 脳波がシータ波となり理想的
・8・8呼吸法 ( 8秒吸って、8秒吐く ) 瞑想のマスターレベル
5・5呼吸法は、なぜだか原因は究明されていませんが、体調に悪影響が出る事例があるため、行わないほうがいいです。
マインドインスパイアでは、1分間に5回程度呼吸する、6・6呼吸法によって、脳波がシータ波になる状態を、イメージングがより効果的に行えると見なしています。
体をゆったりリラックスさせる自律訓練法
身体に意識を向けて、緊張を緩め、深いリラックスを得ることによって、
安眠が促され、ストレスが緩和されて、心身症、神経症などの改善に効果があります。
呼吸法や自律訓練法を行うことによって、段々と脳波をシータ波(半分眠っている状態の脳波)に近い状態にすることができるようになります。
◇ 自律訓練法とは
自律訓練法とは、1932年に、ドイツの精神科医シュルツ博士が考案した自己催眠法であり、治療技法です。ストレスの緩和、安眠を促す、心身症・神経症などの改善に効果があります。
第1公式~第6公式まであり、これらを順番に行っていくことで、深いリラックスが得られ、不眠の改善や、各種の心理治療に用いられています。
◇ 自律訓練法の行い方
始める前の準備として、姿勢を正し、腹式呼吸で、呼吸を整えます。
次に、手・足・体・頭などに、順番に意識を向け、下記公式のイメージをしていきます。
第1公式 手足が重たいと感じる
第2公式 手足が暖かいと感じる
第3公式 心臓が静かに脈打っている
第4公式 楽に呼吸している
第5公式 おなかが温かい
第6公式 額が心地よく涼しい
第6公式まで進み、額を充分に、心地よく、涼しく感じたら、両手を強く握ったり・開いたり、大きく伸びをしたり、首や肩をよく回したりして、
半瞑想状態から、意識を元に戻します。
イメージング
脳波がシータ波に近くなっている状態においては、脳内でイメージ誘導されている情景を、実際の出来事のように感じることが出来るため、気持ちよく感じるイメージを思い描くと、そのイメージを実体験のように経験することができます。
そして、実体験のように経験されたイメージが、脳内の感覚を受け取る部位である扁桃体に作用し、記憶を司る海馬に情報が移って、リアルな記憶として書き込まれます。
この作用を利用して、イメージングによって、過去の悪い記憶を、少しずつ良い記憶に書換えていくことが可能になります。
マインドインスパイアの誘導音響音声
これらの手法をマインドインスパイアの音響・音声ファイルによる誘導音声を、聞きながらイメージすることで、心や体の緊張がとけ、穏やかな気持ちになっていくことができるのです。
無理に習得しようとする必要はありません。聞きたい時にスマホをちょっとタップして、ぼんやりと聞いているだけで、段々身についていきます。
悲しい時や、落ち込んだ時など、呼吸を整え、体に意識を向けて、リラックスして、さらに、イメージの中で、きれいな景色の中に行ってみて下さい。
少しずつ、気持ちが楽になってきます。
少しずつ、何かしてみようかという気になります。
時間をかけて、ゆっくり、気の向く時に、聞き続けて下さい。
きっと症状の改善を、実感できる時が訪れます。
コメントを残す